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バイク屋をやろう。と思った切っ掛けは、

箱根・芦ノ湖スカイラインにて。 初代SRと若かりし頃(23歳)の自分です。
箱根・芦ノ湖スカイラインにて。 初代SRと若かりし頃(23歳)の自分です。

URF店長:太田です。

 

 

昨晩、当店にある1本の“営業電話”が入りました。

それは、どこから嗅ぎ付けたのか、「今リニューアルされてる御社のHPを拝見して…」

とのことでした。

 

声の感じから20代後半から30代前半と思える、電話の向こう側にいる担当氏の

いかにも「営業トーク」から始まった話は、

「SEO対策はご存知ですか?」

「よろしければ、2~3分お時間を頂けますでしょうか??」

と畳み掛けてきました。

 

「チッ、またこの手の営業電話かよ」

 

心の中でそう思いながら、ちょうど『グーグル・マイビジネス』ページを

更新していた手を止め、しばらく話に付き合っていると

同じように店のHPを開いていた、電話の向こうの担当氏が突然切り出しました。

 

「店長さま、トップページの画像はSRですか?

実は私もSRが好きで、過去に4台も乗り継いだんですよ」

 

担当氏は、いかにも自分が食い付きそうな個人的な話題を持ち出しました。

 

「今はSRもバイクも乗ってないんですけど、SRはまた乗りたいですね。

 店長さまは、今もSRに乗ってるんですか?」

 

「乗ってるよ。自分も18の頃から乗り始めて、28まで10年間同じSRに

 乗ってたけど、結婚したり独立したりで途中20年間SRから離れていたけど、

 ちょっとした切っ掛けで、7年前からまた乗り始めてね。

 最初は車検が切れるまでの1年間だけのつもりだったけど、結局その後

 3回も車検を取ってね。

 HPのトップ画に使ってるのは、今自分が乗ってるSRだよ」

 

自分でも個人的な話をしてるなぁ。と思いつつ、(嫌いではないので)

つい、SR話を始めてしまいました。

 

「イイですね~、それじゃ店長さまの店に来るお客さんもSRに乗ってる方が

 多いんでしょうね」

 

「まぁ、確かに。でもSRよりCB(400スーパーフォア)に乗ってる

 お客さんの方が多いかな。乗りやすいバイクだから、自分もお勧めしてるし」

 

「そうなんですか。SRにお詳しいなら、HPでもそれを前に出して、

 SRをいじりたい人や修理で困ってる人にHPでアピールしてみては?」

 

「それが出来れば楽だけど、SRだけに特化したら食っていけないよ。

 実際、君も名前は聞いたことがあるかもしれないけど、昔からやっていた

 東京の某有名なSR専門店さんだって去年潰れたんだから」

 

「えぇ~っ、そうだったんですか??知らなかったですよ」

 

「それだけ厳しいっていうこと。SRは個人的に大好きなバイクだけど、

 それを大きく前面に出したら、他のバイクに乗るお客さんが寄り付かなくなるよ」

 

「なるほどですね~。でも、もったいないなぁ…」

 

「まぁ、SR好きでまたSRに乗る機会があったら、店に遊びにおいで。

 その時は、営業の話じゃなく、同じSR好きとして話をしようよ」

 

 

「これ以上広告宣伝費を掛けられない」と釘を刺しつつ、

体よく営業電話を切り上げて、再び今リニューアルしているHPのトップ画に

目をやりました。

 

「そうだな、もし自分がSRというバイクに出会ってなかったら、きっと

 バイク屋をやることもなかっただろうな。

 でも、SRというバイクがメカや整備の基本や走ることの楽しさを

 教えてくれたんだから、感謝しないとな」

 

そんな事を思い出しながら、改めて自分が将来バイク屋になろうという気持ちと、

切っ掛けを作ってくれたSRについて、何回かに分けて綴ってみたいと思います。

(続く)