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【SR Forever】(その4)

(前回からの続き)

 

 

「しまった…これはまるで、『友達の彼女を好きになった感覚』だ」

 

あの日以来、自分の心の奥深く入り込んだ、SRというバイクの存在感は

日を増すごとに大きくなっていました。

 

「いいな。と思ったなった女(XJ400D)は、自分にはとても手の届かない高嶺の花だ。

 でも実は、自分の身近にいる女(SR)に本気で惚れてしまったかもしれない」

 

男はバイクを女に例える“悪いクセ”が往々にしてありますが、

新車が45万以上もするツインカム4気筒のXJ400Dは貧乏大学生の手に届く存在ではなく、

かといって発売からまだ半年も経っていないため、中古車などはありません。

反面SRは、少しずつ中古車市場に出回り、新車価格が安かったこともあって中古車の

価格は20万円台からと、少し頑張れば手に入れることが出来そうでした。

 

そして若い自分をそれ以上に悩ませたのは、価格だけの比較だけではなく、

SRのキャラクター(個性)でした。

それまで半ば軽視していた4サイクルシングルエンジンの面白さは、自分が思っていた以上に

個性を感じ、ハッキリ言えば借りて乗っていたKHよりも自分に訴えてくる“何か”を

持っていました。

 

「…ツインカム4気筒には憧れるけど、単気筒、特にSRのあの振動は良かったな。

 何だか『心臓が鼓動しているような感覚』だった。まるでエンジンが

 『俺は生きてるんだ』って主張している感じだったな…」

 

最新のゴージャスな服で着飾った高学歴のレディではなく、見た目は普通で

ちょっと古風な女の子が、何かに一生懸命頑張ってる姿に惚れてしまったようです。

 

しかし、先にRがSRを新車で手に入れ、次第にそれを自分の物にしている後で

自分もそれに続く。というのは、所謂『真似っこ』や、友達の影響を受けたから。

と周りに取られることを懸念していました。

特に若い頃は、そういう“ヘンな拘り”に捕われ、なかなか自分の素直な気持ちに

なれないものなのです。

 

「うーん、どうしたもんかな…でも他に乗りたい。と思えるバイクはないしなぁ…」

 

悶々とした気持ちを抱えながら、相変わらず手元にある赤いスズキの50ccで

大学に通い、授業が終わるとバイトを掛け持ちする毎日を過ごしていました。

(その5へ続く)

※画像はイメージです。登場人物、登場する車両とは関係がありませんので。ご注意下さい。(笑)
※画像はイメージです。登場人物、登場する車両とは関係がありませんので。ご注意下さい。(笑)

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コメント: 2
  • #1

    みっちー (水曜日, 15 11月 2017 21:02)

    不覚にも、トップ画の浜省に笑ってしまいました・・・

  • #2

    店長@太田 (土曜日, 18 11月 2017 18:01)

    >みっちーさん
    コメント、ありがとうございます。
    「ブログの内容にあった画像はないか?」と思案し、SRに片想い→片想い→浜省
    という流れで浜省の画像になりました。(^^ゞ
    ちなみに本文最後の画像も浜省のアルバムに使われていた物です。^^;