(前回からの続き)
「しまった…これはまるで、『友達の彼女を好きになった感覚』だ」
あの日以来、自分の心の奥深く入り込んだ、SRというバイクの存在感は
日を増すごとに大きくなっていました。
「いいな。と思ったなった女(XJ400D)は、自分にはとても手の届かない高嶺の花だ。
でも実は、自分の身近にいる女(SR)に本気で惚れてしまったかもしれない」
男はバイクを女に例える“悪いクセ”が往々にしてありますが、
新車が45万以上もするツインカム4気筒のXJ400Dは貧乏大学生の手に届く存在ではなく、
かといって発売からまだ半年も経っていないため、中古車などはありません。
反面SRは、少しずつ中古車市場に出回り、新車価格が安かったこともあって中古車の
価格は20万円台からと、少し頑張れば手に入れることが出来そうでした。
そして若い自分をそれ以上に悩ませたのは、価格だけの比較だけではなく、
SRのキャラクター(個性)でした。
それまで半ば軽視していた4サイクルシングルエンジンの面白さは、自分が思っていた以上に
個性を感じ、ハッキリ言えば借りて乗っていたKHよりも自分に訴えてくる“何か”を
持っていました。
「…ツインカム4気筒には憧れるけど、単気筒、特にSRのあの振動は良かったな。
何だか『心臓が鼓動しているような感覚』だった。まるでエンジンが
『俺は生きてるんだ』って主張している感じだったな…」
最新のゴージャスな服で着飾った高学歴のレディではなく、見た目は普通で
ちょっと古風な女の子が、何かに一生懸命頑張ってる姿に惚れてしまったようです。
しかし、先にRがSRを新車で手に入れ、次第にそれを自分の物にしている後で
自分もそれに続く。というのは、所謂『真似っこ』や、友達の影響を受けたから。
と周りに取られることを懸念していました。
特に若い頃は、そういう“ヘンな拘り”に捕われ、なかなか自分の素直な気持ちに
なれないものなのです。
「うーん、どうしたもんかな…でも他に乗りたい。と思えるバイクはないしなぁ…」
悶々とした気持ちを抱えながら、相変わらず手元にある赤いスズキの50ccで
大学に通い、授業が終わるとバイトを掛け持ちする毎日を過ごしていました。
(その5へ続く)
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みっちー (水曜日, 15 11月 2017 21:02)
不覚にも、トップ画の浜省に笑ってしまいました・・・
店長@太田 (土曜日, 18 11月 2017 18:01)
>みっちーさん
コメント、ありがとうございます。
「ブログの内容にあった画像はないか?」と思案し、SRに片想い→片想い→浜省
という流れで浜省の画像になりました。(^^ゞ
ちなみに本文最後の画像も浜省のアルバムに使われていた物です。^^;